古書探訪 すばらしい代名詞の世界『さらした日記』




   第一話


   なにがしと云ふどこかの女がナニをしてゐたので、通りすがりのある男がソレをアレすると、

   ナニをしてゐたなにがしは、「アレをするとどういふことになるの」と、ある男に尋ねた。

   ある男は、ソレをナニしながら、どうすればかうなるしあゝもなると云つた。なにがしは、

   そこ、そこ、アレなの、あそこがさうなるとあゝよ、と云ふと、ある男は、さうすればあゝ

   なるし、ナニをかうすればさうなるし、どうすればあゝなるんだらう、と探りながら、どこ

   かがあゝなつて、かうしたら、なにがしがおゝ、なに、かうよ、かうするとあゝなの、そこ

   は、さう、さうなのと云つた。んでもつて、なにがしがソレをアレして、ナニをしてゐると、

   ある男は、あそこへ、それをあゝして、かうすると、あゝなり、ナニがアレして、そんなと

   ころへこんなふうにしたら、なにがしは、あんなところでこんなことになつて、あゝいふソ

   レは、かういふアレだつた。そんなことをしちやあゝなるの、といふなにがしに、ある男は、

   どこにさうしたらさうなるのか、とか云ひながら、あんなことをなにがしにしてゐたから、

   なにがしは、なにするの、あ、そこ、アレをナニしてソレをアレして、と云ひながら、あそ
 
   こにソレをかうすると、さうしながらあゝして、さうなつてゐるうちに、あんなところでこ

   んなになり、あゝなつて、かうなつて、ある男はソレをかうしてゐると、アレがまたあんな

   になつた。



   なにがしの使ひの者とか云ひ出した奴が、最近、新聞に載ってゐたけれど、知つたことか。

   はふつておきませう。



   


   ※作者曰く、「無茶苦茶になつてしもうたわい」。


   第二話以降の発表は全然未定です。読みたい人は自分で勝手に考えてください。

  
   作り方

   筆者自身、腹を抱え涙を流しながらげらげら笑えるようなたわけたホラ話を

   なんでもいいから適当に書いて、日なたに、気が済むまでさらす。

   アンダーラインは重要箇所である。

   この製造法と、記事のバカげた性格から、本書には『さらした日記』という、

   ふざけた題をつけて平然としていること。

   塩コショウで味を調え、カツオ節を本編の三倍量ぐらい添えるというような、

   話にならない調理で風味をなおさら落とすという手立てもある。



書評

「世の中でいちばんアホくさい書物に初めて出会った感動は計り痴れない」

(東京文芸新聞)


「はっきり言ってがっかりした」

(国会図書館2006年3月月評)


(噴出しながら)「ジョークぐらいたまにはいいんじゃないんですか」

(文部科学省・厩の救い主)








太鼓堂 第二号館 出入り口

太鼓堂本館